
ブラックジーンズが好きでたくさん持っている。あ、でも高価なものはあまりもってない。
ジーンズはブランドや年代で顕著に色落ちやシルエットが変わってくるので、何年も履かないものもあるけれど
「いつか、コイツの気分がやってくるはず!」
と、タンスに寝かしているもの多数あり。
王道はやっぱりLevi’s501XXの縦落ちからはじまりBIG E、66、赤耳と年代ごとに見比べるとインディゴの濃淡が徐々にローコントラストしていくのがよくわかる。
もちろん憧れたのはLevi’s501XXのハイコントラスト。
中学生の頃、平和島駅の近くにゴリーズっていう古着屋があって、チャリンコこいで見に行ったとき、それはまぁぶったまげたさ。
「なんじゃこりゃ!かっこよすぎでしょ!アーンド高杉晋作!」
中学生の私には逆立ちしても、もちろんフツー立ちしても、いやなんなら横立ちしても買えないプライス(なんだか下ネタっぽくなってきたZO!)。
ということで、そのまままっすぐ家に帰る気にもなれず、東邦医大の前にあった釣り堀で糸を垂らして、釣った鯉を火照ったオデコに冷えピタしたっけなぁ…
そうそう… この投稿は私のヴィンテージ入門の話ではなく、ブラックジーンズの話なので、話を戻しましょう。
いまのところ、ブラックデニムは1903年のリーバイスのカタログが初出だと言われている。
サンフランシスコ大地震の火事によって以前の資料は焼けてしまったらしいが、当時(1903年)のカタログを見ると

9 Oz. Black Twilled Denim
- 531—Spring Bottom Pants, 2 hip pockets………..$11 75
(スプリングボトムパンツ、ヒップポケット2つ) - 532—Spring Bottom Pants, 2 hip pockets, extra sizes….12 75
(スプリングボトムパンツ、大きめサイズ) - 534—Sack Coats, 4 pockets……………………….11 00
(サックコート、4ポケット) - 535—Vests ………………………………………6 75
(ベスト)
8 Oz. Black Denim
(8オンス ブラック・デニム)
- No. 225 Overalls, 5 pockets (2 hip)……………….$ 7 00
(オーバーオール、5ポケット) - No. 226 Same in extra sizes………………………8 00
(同上、大きめサイズ) - No. 221 Overalls, Engineers’ 7 pockets, elastic straps…9 00
(エンジニア・オーバーオール、7ポケット、ゴム製ストラップ) - No. 222 Same in extra sizes……………………..10 00
(同上、大きめサイズ) - No. 223 Sack Coats, 4 pockets ……………………8 00
(サックコート、4ポケット) - No. 223E Sack Coats, 4 pockets, extra sizes ……….9 00
(同上、大きめサイズ) - No. 250 Boys’ Bib Overalls, elastic straps ………..4 75
(少年用ビブ・オーバーオール、ゴム製ストラップ) - No. 251 Youths’ Bib Overalls, elastic straps ………5 50
(ユース用ビブ・オーバーオール、ゴム製ストラップ) - No. 252 Boys’ Overalls ………………………….5 25
(少年用オーバーオール) - No. 253 Youths’ Overalls ………………………..6 00
(ユース用オーバーオール)
https://www.levistrauss.com/2021/11/04/the-true-story-behind-the-debut-of-black-jeans/
より引用
と記載されており、この豊富なラインナップ(8型もある!)をみても1903年以前よりブラックデニムを生産していたことは簡単に伺える。
ちなみにお値段はPER DOZEN (1ダース12着分)のお値段だそうです。
そのあとエルビス・プレスリーが1957年に映画ジェイルハウス・ロックでブラックジーンズを履くことによって、ブラックデニムの存在は蒸気機関車の機関士や火夫などの汚れを目立たせない作業着から、若者の憧れの象徴として一気にステータスを上げることになった(これがファッションの真髄というか、おもしろいところだよね)。
でもプレスリーの反抗心は若者のみならず、学校や体制側にも火をつけた。
体制側はブラックジーンズの着用を許さず、その結果ブラックジーンズは残念ながらここで一度姿を消すことになる。
その4年後、1961年に登場した「ホワイト・リーバイス」ラインでブラックが発売される(ややこしい!)が、素材はピケ、カツラギ、コーデュロイなどで、私の知る限りデニムの生産はされていない。
センタークリースの効いた「STA-PREST」(通称スタプレ)は、アイロン要らずで品のある佇まいが、当時アイビーリーガーのお坊ちゃんたちに受けたが、そのあとモッズたちにも迎合され、現在サンフランシスコのミッションエリアのグラフィティアーティストたちのユニフォーム化という流れを汲んでいる(これがフォッションのおもしろいところだよね)。
引用元のサイトによると、じつはエルヴィスが映画で着用していたのは、「ホワイト・リーバイス」ラインの一部のブラックデニム版のプロトタイプのようなものだったらしい。
そうして1985年に満を持して「501」のブラックモデル〝501-0658〟が発売され現在に至る。
1985年から90年初頭までを〝先染め〟として、その後を〝後染め〟と呼称するのが一般的な解釈とされているが、自分が今まで見てきたブラックジーンズは、先に挙げた2種類のみではなく、この3種類に分類できそうだ。
・先染め(経糸のみ糸を染色してから生地を織る)
・先染め・ダブルブラックまたはスーパーブラック(経糸緯糸を染色してから織られているが、これを〝後染め〟と勘違いしている?)
・製品染(製品となった後に染色する、タグやポケットも染まっている)


先染め(経糸のみ)全体的にグレーの印象


先染め(経糸緯糸ともに)ダブルブラック


生地は経糸を染色糸、緯糸を白糸で織られている
そのあと製品染(後染め)のためポケットも染色されている
ここまで来たら生地染め(後染め)の製品もありそうだけど、これだけはありそうでない。見たことがない(誰か見つけたら教えて!)。
さて、このなかで一番タフな印象なのは経糸緯糸を先染めして織る「ダブルブラック」。
経糸緯糸ともに染色された糸を使用しているので、ほとんど色落ちはしないが、頑張って(いや、なかば意地になって)履き続けると、ようやくアタリが出てくる。
漆黒の生地からぼんやりと見えてくる色落ちが、なんかいい意味で「悪い」んだよなぁ…
というわけで、製作したBROWN by 2-tacsの「ダブルブラック」のジーンズ。
「これってどんな感じに色落ちしますか?」という質問を受けるんだけど、答えが難しい。
物理的に考えたら、必ず色落ちはするんだけど、その経年変化の速度はすこぶる遅い。


やっとアタリが出てきた



が、まだまだ先は長そうだ…